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Honestly 2



「あんな下品な子はシンに似合わないわ」

だから何とかしろと言われたインは、だが即座に断った。

「嫌だね。 シンが気に入ってる子だぞ? お前どういうつもりでそんなこと言うんだ?」
「だ、だって!」

まさか嫌だと言われるとは思っていなかったヒョリンは、つい嘘を口にした。

「シンが教えてくれたの。 ギョンの紹介だし国民だから無下には出来ないって」
「なら、尚更俺たちが口を挟むことじゃない」


ヒョリンを好きなインとしては、この機会にシンのことは忘れて自分と、と目論んでいるのだ。
故に引かない。

が、勿論結婚など考えていない。
愛人の子などカン家の嫁としては論外なのだから。

以前シンの妃にヒョリンとか?と言ったのは、ただの冗談なのだ。


「相手は皇太子なんだぞ? 金持ちだろうと何だろうと、一般人の俺たちがプライベートにまで口出しすることじゃない」

そう言われてしまい、ヒョリンはとうとう大嘘を吐いた。

「でも変な噂が出てるのよ。 シンが好きなのは私なのに!」
「え?」



去年の冬に告白されて付き合い始めた、でも私は愛人の娘で公には出来ないからこっそり会ってる。
ヒョリンはそう嘘を吐いた。


「・・・そうだったのか」


ならもういいか。

その言葉を信じたインは、ヒョリンへの自身の気持ちをあっさり封印して二人を応援しようと決心した。
シンにしても、どうせ高校生の間だけなのだ。





数日後、シンが公務で学校を休んだのをいいことに、インはチェギョンを掴まえて言った。

「おい、おかしな噂が出てるのを知ってるか?」
「噂?」
「お前とシンのことさ。 いいか、これは秘密だが、シンにはヒョリンっていう恋人が居るんだ。 なのにお前みたいな庶民との噂なんて迷惑なんだよ。 お前だってシンとの未来があると思ってるわけじゃないだろ? 判ったらこれからはシンの前には現れるな。 いいな」


これはチェギョンのためでもあると思うので、インの言い方は優しくなったが、それでも彼は言うだけ言うとすぐにその場を離れた。




インが去った後、チェギョンは茫然とその場に立ち尽くしていた。


シン君の恋人がミン・ヒョリン?
じゃあ、講堂でピアノを弾いてくれたり、そっと手を握ってくれたのは何だったの?
あの優しい笑顔は国民に対する礼儀?
一民間人に寄り添う優しい皇太子をアピールしてただけ?


「・・・私は庶民だもんね」

シンとの未来があると思っていたわけでは決してないが、インの言葉が突き刺さったチェギョンは、零れそうになった涙を拭って、自分を卑下するようにそう独り言ちた。





それをずっと見ていた人物がいた。
ガンヒョンだった。


チェギョンとインが居た渡り廊下は、ガンヒョンが居る校舎の反対側だったので当然聞こえない。
が、泣きそうなチェギョンに気付いたガンヒョンは、俯きながら教室に戻って来たチェギョンに何かあったのかと聞いたのだが、チェギョンは何でもないと言うだけだった。





ギョンはガンヒョンに、祖父から聞いた話、つまりチェギョンがシンの許婚だと伝えていた。

ガンヒョンが味方の方がいいと判断したこともあるが、それよりも、美人で理知的で冷静な判断が出来るガンヒョンを、彼が好きになっていたからだ。
なので、裏で動いて変に嫌われるよりはと、すべてを打ち明けていたのである。

「チェギョンが?!」

と驚いていたガンヒョンだったが、彼女もギョンを憎からず思っていたので、お互いの友人のために協力しているのだ。





なのでガンヒョンは、午後の休憩時間にギョンに電話をした。
インがチェギョンに何か言ったらしいことを伝えるためだ。

「インがチェギョンと話してた?」
「チェギョンは何でもないって言うけど、でも泣きそうなの。 絶対余計なことを言われたんだと思う」
「判った。 インに確かめておく」





授業が終わってから、ギョンは帰り支度をしていたインを問い詰めた。
チェギョンに何か言ったのか?と。

するとインは、意外にあっさり答えたのである。


「シンにはヒョリンっていう恋人が居るから諦めろって言ったんだ。 彼女のためでもあるだろ」
「ヒョリンは関係ないだろ?」
「いや、シンと付き合ってるんだってさ」
「え??」

その言葉に反応したのはファンだった。
横で、やっぱり!!と騒いでいる。

「お前の紹介だから無下には出来ないんだと。 皇太子ってのも大変だな」
「そうだったのか〜〜」

やはり納得しているのはファンだった。
が、ギョンはヒョリンがまた嘘を吐いたと判り、はっきりインに言った。

「二人は付き合ってなんかない。 お前ヒョリンを好きなんだろ? だったらシンに押し付けるな」


インがヒョリンを好きなことにギョンは気付いていた。
馬鹿だとしか思えないが、個人の趣味に口出しする気はないので放っておいたのだ。
だがこんな愚行を犯すのなら黙っていられない。


「押し付けてるんじゃないさ!」

気持ちを見透かされていたことに狼狽したので、インの声は大きくなった。

「ヒョリンにはシンから告白したらしいぞ!」

その声にクラス中が聞き耳を立てたのが判ったので、ギョンも声を大きくした。

「判った。 ならシン本人に聞いてみよう。 今電話に出られればいいがな」



そして本当にギョンはシンに電話をして、出たシンは「ヒョリンへの告白」を否定したのである。


「ほお、あの女がそんな嘘を。 判った、こちらで対処する」

皆に聞かせようとギョンは携帯のスピーカーをオンにしていて、そこから大きく流れて来たシンの冷たい返事に、インとファンは勿論、クラスメートたちも背筋を凍らせた。





ギョンから電話が来た時、シンは公務帰りの車の中だった。
彼はすぐに、助手席に座っているシン付きのコン内官に指示を出した。

「コン内官。 ミン商事社長の愛人の娘だと偽っているミン・ヒョリンが、私の友人に、自分は皇太子の恋人だと大嘘を吐きました。 それも、私から告白したとか」
「え!」
「皇太子に対する冒涜です。 名誉毀損と偽証、精神的苦痛などの罪状でその女を拘束してください」
「はい、殿下」


チェギョンとのことを、ヘジャたちは勿論コン内官も喜んでいた。
好きな女性を得て、シンが心身ともに逞しくなったのが判るからだ。

なので、例え高校生といえどもシンに対するそのような嘘は許せず、コン内官はすぐに皇宮警察に連絡を入れた。





同じ頃、インひとりに任せておけないと思ったのか、ヒョリンはそっと美術科に行ってチェギョンを探した。
すると彼女は、中庭を歩きながら誰かと電話していたのである。


「え、でも・・・」
「じゃあ・・・、ほんとにヒョリンとは何でもないの?」


チェギョンの背後からそれを聞いたヒョリンは、相手がシンだと気付いた。

自分はシンの番号すら知らないのに、眼の前の下品な女はそれを知っている!!


そのことに腹が立ったヒョリンは、後先考えずに思い切りチェギョンを突き飛ばした。
するとチェギョンは、「あ!」と一言発しただけで前にあった池に落ちてしまったのである。


バシャーーーーン!!!


池があることを失念していたヒョリンは、派手な水音に驚いてすぐにそこから逃げた。

私のせいじゃないわ!!
あの子が勝手に落ちたのよ!!

心の中でそう言い訳しながら。




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コメント 24

There are no comments yet.
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2022/09/23 (Fri) 22:30

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ビオラ  
2022/09/23 (Fri) 22:48

merryさま、こんばんは。お話の更新ありがとうございます。
シンくんとチェギョンが親しくしているのを知っているのに、シンくんに確かめもせずヒョリンの嘘を信じて、インは馬鹿ですね。恋は盲目とはいえチェギョンに意見するって馬鹿な事をしたものですね。
そして嘘をつきすぎて現実の自分の立場がわからなくなったお馬鹿なヒョリン。皇太子の許嫁のチェギョンを突飛ばして池に落とした事で罪が一層重くなるでしょうね。馬鹿につける薬はないってヒョリンの為の言葉みたいですね。

-
2022/09/23 (Fri) 23:35

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yurin
2022/09/23 (Fri) 23:39

忠犬ギョン

こんばんは^^v
ヒョリンーー
さすがにインも警戒してましたねぇ
でもそこで都合のいい嘘八百並べられるのは大したもんかも(笑)
でもギョンがーー
シン君に電話した事でヒョリンの嘘があっという間にバレましたv-222
ここは徹底的にやっつけたいですねv-219
お話の続き楽しみにしてますねv-352
今日はありがとうございましたv-355

-
2022/09/24 (Sat) 00:02

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-
2022/09/24 (Sat) 02:16

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sai*****
2022/09/24 (Sat) 03:35

おはようございます😊

ヒョリンは、シンくんとチェギョンの噂を聞いて焦ったのかも…だけど、嘘つきでおバカなヒョリンにいいように使われているインも、ホントおバカですよねぇ!

ヒョリンのバカな提案に、最初は否定的だったから、ヒョリンと違って少しはまともなのかも…って思ったけど、ヒョリンの嘘に騙されて、チェギョンに…😠

でも、ギョンくんがシンくんに電話してくれたお陰で、しかもスピーカーでの通話だったから、ヒョリンの嘘は、すぐにみんなにバレましたね😊

それなのに、バカなヒョリンは、チェギョンを池に突き落としてしまいましたね😠

シンくんに対する『名誉毀損と偽証、精神的苦痛』でヒョリンを拘束することになっていますが、チェギョンがヒョリンに傷付けられたと知ったシンくんは、ヒョリンへの怒りがさらに激化しそうですね😊

大切なチェギョンが傷付けられてしまったんですから、やり過ぎでは?…と思うくらいの厳罰でも、シンくんはヒョリンを許せないでしょうね!

徹底的にヒョリンを叩きのめして欲しいですね😊

お話の続きを楽しみにしています🎵

まあむ
2022/09/24 (Sat) 04:37

おはようございます
イン君、諦めるないでよ~
嘘が見抜けなかったがために最悪じゃない<(`^´)>
ヒョリンも逃げたからといって、感情に任せた数々の言動は
取り消すことはできないわよ!
チェギョンは本当に気の毒、救助はギョン君かな?

tiem
2022/09/24 (Sat) 04:59

merryさん、おはようございます!
更新ありがとうございます。

シン君の事を諦めきれないヒョリン。
ここで、またもや大嘘を吐いたようねぇ。
シン君と自分はと。
それを信じ切ってしまったイン君。
ヒョリンを諦め応援をとまで。
イン君、チェギョンに言い放ったんだねぇ。
ヒョリンの嘘を信じて、でも、その様子をガンヒョンが見ていたのねぇ。
内容まで把握できなかったけど。
でも、その後、ギョン君にも報告が。
だから、即、シン君と連絡を取り、話をスピーカーを介しての会話。
生徒も皆、聞いていてイン君もえぇ~~~っ、ファン君も。
でも、まだあきらめないヒョリンですねぇ。
チェギョンにとんでもない事をしたようねぇ。
ヒョリンの件はシン君からコン内宮に。
即手配をですねぇ、でもその前にとんでもない仕打ちをしたようねぇ。
愚かな女ヒョリン。

-
2022/09/24 (Sat) 08:13

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2022/09/24 (Sat) 13:37

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-
2022/09/24 (Sat) 17:32

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merry
merry
2022/09/24 (Sat) 20:28

To ラプ さま

コメントありがとうございます。

馬鹿なヒョリンですよねー。
そうそう、嘘はいけません。^^;

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 20:32

To ビオラさま

コメントありがとうございます。

インも馬鹿ですよねー。
チェギョンに話をする前にシン君に確認すべきでした。
ヒョリンも、罪を重ねるばかりです。
ま、こいつを救うつもりはありませんが。(≧∀≦)

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 20:47

To と さま

コメントありがとうございます。

はい、インは「隠さず喋る軽いバカ」でした。www
ヒョリンを信じ切ってスラスラ喋ったおかげですぐに嘘もバレたし。
その点ヒョリンは・・・、後先考えずに押しちゃうってかなりです。^^;
ギョン君、いっぱい頑張りますよ〜〜〜〜〜。(≧∀≦)

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 20:52

To yurinさま

コメントありがとうございます。

忠犬ギョンだって〜〜〜〜〜。(≧∀≦)
インもねえ、一旦断ったならそのまま去れ!www
でもすぐにバレたけど〜〜〜〜〜〜。

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 20:58

To ふ さま

コメントありがとうございます。

インもねえ、苦し紛れのような嘘を信じちゃダメですよねー。
シン君の否定を疑う馬鹿はいないでしょう。
チェギョンは勿論大丈夫ですよ〜〜〜。(⌒▽⌒)

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 21:46

To m さま

コメントありがとうございます。

インも、結局ヒョリンを信じましたねえ。
馬鹿な奴。^^;
シン君の逆鱗に触れて無事でいられるはずないですよね。www
そう!シン君との電話中だったので、あっという間です!(≧∀≦)
あ、次で終わりです〜。

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 21:52

To sai*****さま

コメントありがとうございます。

シンチェの噂に焦ったんでしょうねえ。
焦る理由もないのにー。www
インも、一旦断ったならそのままイヤで押し通せば良かったのに馬鹿ですねえ。
ヒョリンの罪状も増えるでしょうねえ。( ̄∇ ̄)

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 21:54

To まあむさま

コメントありがとうございます。

そ、ヒョリンの嘘を見抜けなかったイン、最悪ですねえ・・・。
ヒョリンも自分で動くという馬鹿をしました。
はい、ギョン君が来てくれますよ〜〜〜。(≧∀≦)

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 21:59

To tiemさま

コメントありがとうございます。

スピーカーでシン君の返事を聞いたイン、びっくりしたでしょうねえ。www
やっとヒョリンに騙されたことに気付いたかな〜???
ヒョリンがしたことは、学校でのことなのですぐにバレます。
あいつってほんと馬鹿です〜〜〜〜〜〜〜。( ̄◇ ̄;)

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 22:02

To n さま

コメントありがとうございます。

ヒョリン!どのツラ下げて!ってほんと言いたいですよね〜〜〜〜〜。
インもまた引っかかってチェギョンに意見しちゃうし!
はい、嘘で固める流石のヒョリン(笑)も終わりです〜〜〜〜〜。(≧∀≦)

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 22:06

To j さま

コメントありがとうございます。

せっかく「嫌だ」って言ったのにー。ww
結局言うこと聞いちゃって!
そうそう、先ずシン君に確認すれば良かったんですよっ。
ガンヒョンからギョンに伝わり、あっという間にヒョリンの嘘がバレました。
チェギョンは大丈夫です。
はい、ギョン君が走りますよ〜〜〜〜〜。(≧∀≦)

merry
merry
2022/09/24 (Sat) 22:12

To し さま

コメントありがとうございます。

でしょ!ガンヒョンもなんてレアですよね〜〜〜。www
インもねえ・・・、いろいろ考えてるなら先に確認しろよ!と言いたいです。
ファンは・・・、もう何処にいるのか判らない。www
鉄板おバカ(大笑い!!)なヒョリンも、あっという間に嘘がバレてもう終わりですね。
おお!ピアノに気付いてくれて嬉しい!!!!!
あれね〜〜〜〜〜、何度見ても悔しくてシン君が大馬鹿にしか見えなかった。( *`ω´)
チェギョンを隣に置いてスッキリです!( ̄∇ ̄)

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