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花嫁の資格 11


『シンーーーーーー!!! 話を聞いてくれ!!』

突然ギョンから連絡が来た。
何事かと会ってみれば、恋していた学芸員と付き合い始めたのはいいが、なんとその妹を好きになったらしい。

「はあ?」

呆れてものも言えない。
そんなに気持ちがぐらつくものなのか??
おまけに姉のほうとは身体の関係もあるようだ。

「お互い大人だし、最初のデートでホテルに・・・」

それ以降会うときはいつもホテルだったらしい。

「で? 妹にはいつ会ったんだ。 姉のほうにのぼせてたんじゃなかったのか?」
「そうなんだけど・・・」


付き合い始めて二ヶ月足らずだが、それでも自分の年齢を考えて結婚を視野に入れていたそうだ。
ところが。

姉を送って行った夜、ちょうど妹もバイトから戻ったところで、姉が妹にギョンを紹介したらしい。

『妹のガンヒョンよ。 大学生なの』
『初めまして。 イ・ガンヒョンです』




「身体に雷が落ちたんじゃないかってほどビリビリ震えた! 彼女が俺の運命の相手だ!」
「はー・・・」

イ・ガンヒョンは20歳で、この春大学3年生になるらしい。


「なあなあ、シン。 どうやったら姉のジュヒョンと別れてガンヒョンと付き合えると思う??」
「無理だろう。 諦めろ」
「ええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」



学芸員を好きになったと、あれだけ真面目な顔で言っていたというのに、付き合い始めて二ヶ月ほどで心変わり?

おまけに妹だなんて、所詮姉のほうに対する気持ちも軽いものだったのだろう。
ギョンには呆れる。





俺はというと、マンションでの夕食には時々呼ばれる。

祖母というか家族は、まだ俺とチェギョンを結婚させようと目論んでいるようだ。
アジョシは嫌だとあれだけはっきり言われたというのに、諦めるということを知らないのか?と言いたい。


父は、あんなことがあって、祖父母は勿論母にも姉にも逆らえなくなったので、家族がチェギョンに掛り切りになっていても何も言わず、仕事に没頭している・・・ようだ。


俺もきちんと仕事はしている。
取引先との接待にも行くし、新たな事業計画を立ち上げたりして着実に功績を上げているのだ。

だからというか、最近女性とのコトがない。

仕事関係で最終的にクラブに行くことはあるが、遊びに来たわけではないので女性に眼が行かないし、それ以外の日は祖母からお呼びがかかるので、ぶらっとクラブに行って後腐れのない女と、ということがないのである。

が、まあ別に構わない。
本当にアレが腐ることなどないのだから。





チェギョンが高校に行き始めたので、チェ秘書も会長秘書に戻った。
夕方2時間くらいマンションに行くそうだ。

高校で友人も出来たらしく、これで俺も度々マンションに行かなくて済むだろう。


「最近一層可愛くなったわよ〜。 制服姿なんてとってもキュートなのっ」

今でも日々マンションに通っている母が一人はしゃいでいて、見て見て!と携帯の画面を俺に向けて来た。

チェギョンと祖母が写っている。
ふたりとも満面の笑顔で、確かにチェギョンは可愛い。
元々顔立ちは良かった上に、美容院に連れて行かれたことで髪も整っている。
祖母と比べるせいか顔も小さい。

「可愛いでしょ!」
「おばあさまが隣に居るからでは?」
「もーーー!! 馬鹿な子ね! そんなだから未だに結婚も出来ないのよっ」

・・・それ関係あるのか?

「でもまあいいわ。 35にもなって独身だったおかげで、こーんな若くて可愛い子がお嫁さんになるんだからっ」
「・・・」

母は携帯を見ながらエラく喜んでいる。
が、相手は嫌がってるだろうに。

「シン! アジョシは嫌だって言われたんだから、かっこいいアジョシだってことをアピールするのよ!」

どうやって?
高校生から見れば、どうアピールしてもアジョシはアジョシだろう。



先日チェギョンに大学入試のことでつい熱く語ってしまい、祖母に呆れられたことがあるのだ。
よく考えれば、俺が高3の時チェギョンはまだこの世に生まれていないのである。
家に帰ってからそのことに思い至って愕然としたものだ。

そのジェネレーションギャップが埋まるとは、到底思えない。





5月になり、チェギョンの18歳の誕生日が来た、ようだ。

「良かったわね、シン! あなたの誕生日の10月までは17歳差よ!」
「・・・」

だから何だというのか。
母には付いて行けないところがある。





祖母は家に戻ることになった。

チェギョンが学校に行き始めて昼間祖母一人になったことで、家政婦が居ても寂しいようだ。
せめてチェギョンの誕生日まではと思っていたらしく、マンションで誕生日パーティーをしてから家に帰ると言い始めた。


「私は家に帰ります。 でもチェギョンを一人にするのは可哀想だから、シンが此処に来る?」
「は?」

マンションでの夕食時なので、勿論チェギョンも傍に居る。
なのに今この場で言うのか?と思った。

「元々そのつもりだったでしょ」

祖母はにこやかに俺を見たが、俺は返事をしなかった。
チェギョンも何も言わずに俺と祖母に交互に視線を向けている。

だから相手は高校生なんだっ。



結局チェギョンを一人には出来ないと、今度は母がマンションで暮らすことになった。

「シンのことを褒めちぎっておくわ!」
「・・・」

テンションの高い母に、やはり返事も出来なかった。





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