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鏡花水月 3

後宮には、様々な年齢の十数人の側室候補たちが居た。つまり周りの王族たちが、自身の損得勘定で身内の男たちを後宮入りさせている、ということだろう。「実際に側室として選ばれるのは、このうちの5人らしいぜ」俺にそう教えてくれたのは、昔、書堂で一緒だったカン家の次男インだった。俺と同じ18歳の彼も、次男だということで後宮に来たようだ。「5人だけか? じゃあ他の者は?」「さあ? 出戻りってことじゃないか? そ...

肆拾漆 7

鏡花水月 2

「またよろしくお願いいたします」「いやいや、こちらこそ」「どうぞ、お気を付けて」「はい。 では失礼いたします」母に付いてご贔屓先のお店に商品を卸し、ご主人と奥さんに挨拶してから通りに出ると、ひときわ背の高いシンジェさまが見えて、私は母から離れた。「お母さま、私は此処でっ」「え? チェギョン!?」シンジェさまの元に走ると、彼は苦笑いしながら私を見ていた。「やあ、チェギョン。 お使いの帰りか? でも女...

肆拾漆 6

バレンタインの思惑

鏡花水月 1

「王様、万歳! 王様、万歳!」先王の五男だった現国王が亡くなったことで、次に王に担ぎ上げられたのは翁主、つまり側室が産んだ王の娘のイ・ウニョンさまだった。「10歳の王の次は15の娘か。 いくら先王に他に子供が居ないからと、また“傀儡”なんてな」 そう言っていたのは誰だった?内心そう思っている者は多いだろうに、宮殿の外はお祭り騒ぎだった。傀儡だとは判っていても、国の慶事なのだから、少しは民におこぼれが...

肆拾漆 5

肆拾漆 4

Confession

タイでのことで、やっとヒョリンと終われた。「最初で最後のデート」としてきちんと見送りもしたし、これでチェギョンに向き合えると思った。なのに、それがタイで新聞記事になり、ネットにも載ったのである。国内の記事は抑えたものの、当然のようにチェギョンとはギクシャクしてしまった。いや、あれは俺の言い方が悪かった。「関係ない」などと、何故口から出たのか。しまったと思っても後の祭りで、もうどうしていいのか判らな...

アルバム その8