FC2ブログ

肆拾肆 35

<皇太子殿下、王族のチョン・ウニョン嬢と熱愛か!??>「何だ、これ!!」朝の挨拶を終えて東宮殿に戻った時、キム内官が新聞を手に俺の部屋に飛び込んで来た。新聞にはデカデカと俺とウニョンさんがにこやかに肩を並べて歩いている写真が掲載されている。これはあの見合いの時のものだ。お互いの健闘を祈って握手してから、上殿を出るまで送って行ったのだが、その時の玄関でのものなのだ。これを撮れるのは宮の人間しか居ない...

肆拾伍 1

まだ高校生だというのに、俺に結婚話が出た。父上が中枢性の目眩で倒れたことで、脳卒中の前兆だなどと侍医に聞かされたおばあさまが、皇室の未来のために備えねばと言い出したのである。『世継ぎは皇室の存亡に関わる問題だ、危機を機会と捉えて皇室の隆盛なる礎を築くのだ』太皇太后にそんな風に言われたら異を唱えられる者も居なくて、当然のように俺の気持ちなど二の次で、先帝陛下である亡きおじいさまが“皇位継承者の許婚”と...

肆拾肆 34

21歳の誕生日の会見で留学することを発表し、8月に韓国を出て、9月からフランスでの大学生活が始まった。見るもの見るものが新鮮で楽しいが、早くスイスには行きたい。が、何といっても俺に張り付いている記者たちが居るので、暫しこちらに居るしかない。【 おはよう、シン 】【 おはようアラン 】大学では皆気さくに話しかけてくれるし、すごく親切だ。ただ・・・、記者たちは大学内にも入り込んでいるので、挨拶するだけ...

肆拾肆 33

「え? 私を招待してくださるんですか?」皇太后さまから電話が来て、皇女さまの婚礼に出席して欲しいと言われた。『そうじゃ。 そなたに会いたいのに今まで理由が無くてなあ。 ヘミョンの婚礼に来てくれんか? 会いたいのじゃ。 それに、物別れしたとはいえ、蟠りがあるわけではないのだと世間に知らしめたいのだ』「・・・」そんなことを言われたら断ることも出来なかった。皇女さまの婚礼前日にソウルに着き、そのままホテ...

フタリシズカ 4(完)

肆拾肆 32

「私はシン・チェギョンが好きです。 彼女を妻に迎えたいと思っています」その俺の言葉におばあさまは驚愕していたようだったが、それでも落ち着いて俺に聞いて来た。「・・・いつからじゃ? いつからそういう関係になっていた?」「違います!」誰しもそう思うだろうことは判っていたが、はっきり聞かれるとチェギョンを侮辱されたようで腹が立つ。多分、俺は顔を顰めただろう。「以前も申し上げましたが、私の片思いです。 彼...

フタリシズカ 3

肆拾肆 31

チェギョンに告白と言っても、本当にいいのだろうか?という思いが頭から離れない。もし上手く行ったとしても、元皇太子妃が現皇太子と結婚するなど、国民はどう思うだろう?それを考えた父上たちによって、強く反対されるのは目に見えているのではないだろうか?だが、他の女性と結婚したら、ユルの二の舞になってはならないと己を律するのが辛く、妻となった女性に当たり散らすかもしれない。それこそユルの二の舞だ。「はー・・...

フタリシズカ 2

肆拾肆 30

俺が退院してからは忙しかった。俺たち家族の正宮への引っ越しの後、先ず上皇として残っているス陛下の謝罪会見があった。「全て私の不徳の致すところです。 私の責任は大きく、退位を決意した次第です。 申し訳ありませんでした」皇太子殿下は何と!?とかの質問も出たが、上皇陛下はそれには答えず、傍に居た内官が、公式発表をお待ち下さいと返事していた。その数日後なされたユルたちのことについての公式発表は、当然のよう...