FC2ブログ

肆拾弐 17

ネット記事では皇太子の退位を声高に騒ぐ者が居たようだが、マスコミの対応は薄かった。民間人のチェギョンと違って、責任云々で皇太子の俺を叩くことは出来なかったようだ。だが父上は、何を思ったのか俺の退位を王族会に諮ったらしいが、それは却下されたのである。『元妃殿下の時に陛下は何とおっしゃいましたかな? 皇室と殿下に傷が付かないように離婚ではなく廃妃にということでした。 なのに、今になって殿下に傷を付ける...

ただいま。(笑)

肆拾弐 16

チェギョンの気持ちを聞いたことで、俺の後悔は募った。金だけが目当てだと思っていたのだ。だから最初は冷たく接してしまった。最近のことがあまりにも可哀想で、せめて俺くらいは優しくしてやろうと思ったのだ。それを嬉しく思ってくれていたなんて・・・。東宮殿は以前のように静かになった。チェギョンが騒がしかったわけではないのだが、俺は何やら寂しく思っていた。チェギョンが廃妃になったことで、ヒョリンは喜んでいたそ...

肆拾弐 15

「数ヶ月でしたがお世話になりました」チェギョンは最後にそう言って俺たちに挨拶した。「済まぬ、チェギョン嬢。 だがそなたのためだ」「ごめんなさいね」平然とそう言ったのは父上と姉上だった。皇太后さまとユルは何も言わず、おばあさまは泣いていて、母上はチェギョンの手を取って元気でと言っていた。「申し訳ありませんでした、ご迷惑をおかけいたしました」チェギョンは最後まで謝っていた。チェギョンの廃妃は王族会の多...

肆拾弐 14

皇女さまは私を廃妃にと言った。廃妃なら殿下や皇室に傷が付かないと皇太后さまが言ったことで、離婚はならぬと言った陛下までもが、廃妃ならと賛成したのである。皇后さまは信じられないように陛下を見ていて、殿下も驚いたようだった。太皇太后さまが一喝してくださったことでその時はそれで終わったが、私は廃妃になっても構わない。もう、此処から出たいのだ。殿下と一緒に東宮殿に戻り、廃妃で構わないと言おうとしたのだが、...

肆拾弐 13

皇太后さまがユルを皇帝にするためだと言った母上だったが、残念なことに証拠はなく、母上がそう思っているだけだそうだ。薬湯のことにしても、ソ尚宮が、太皇太后さまの指示ではなかったが慣れない妃宮を心配して、という言い訳をされればそれで終わりだというのだ。・・・確かに。姉上とユルの嘘も大したことではないので、どちらかの思い違いだと言われたら突付くことも出来ないと言われた。・・・それもそうだ。『それにそんな...

肆拾弐 12

結婚して3ヶ月、俺は初めてチェギョンの部屋に入った。「・・・何でしょう?」「聞きたいことがあるんだ。 初めて姉上に会ったのは雲硯宮だったよな」「はい」チェギョンは敬語で、まるで女官のように視線を下に向けている。これでは距離が縮まらないと思った俺は、敬語は止めろと言いそうになった。が、すぐに思い出したのだが、婚礼の最後の時に俺が怒鳴ったのだ。敬語を使え!と。思わず溜息が出そうになったが、とにかく今は...

Let's go home 8(完)

「ソンジュ!!」チェギョンは確かに俺を見たと思うのだが、第一声はそれで、彼女は俺の腕から奪うようにソンジュを抱き締めた。「よかった、よかった、ソンジュ!」チェギョンは大粒の涙を零してソンジュを抱き締めていて、ソンジュもやっと母親に会えたからか笑顔だった。そんな2人を見て俺もほっとしていると、突然誰かが怒鳴った。「お前か、誘拐犯は!!」同じように、こいつか!という声も聞こえて来て、次の瞬間には2人の...

Let's go home 7

シン農園との契約を済ませたキム秘書は、チェギョンの伯父であるシン・サンジュン氏に農園を案内してもらい空港まで送ってもらったそうだ。「その空港にこのビラがあったんです」それは、<この子を探しています>と書かれていて、生後5ヶ月の時に誘拐されたという子供の写真が載っていた。その子はジヒョンそっくりで、連絡先はシン農園だったのである。ヒョリンがジヒョンを連れてホテルに来た時にキム秘書もジヒョンを見ていた...

肆拾弐 11

ネット記事では、再びチェギョンの弟のことが取り沙汰されていた。おまけにそれだけではなく、両親のことも上がっていて、そのせいでテレビでもニュースになっていたのである。父上は以前の弟のことも父親が無職だということも知らなかったのか、顔を真っ赤にして怒っている。「申し訳ありません、申し訳ありません」ひたすら謝るチェギョンが可哀想だ。高校生にこうまで声を荒らげるなんて、父上のほうがどうかしている。だが、俺...