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肆拾弐 3

婚礼の最後の同牢の礼は形だけで、その時暫く殿下と2人になると聞いていたので、その時に挨拶しようと思っていた。パレードの前に言われたことは私のせいなので、それを謝って、せめてこれからよろしくと言いたかったのだ。殿下が言ったようにもう逃げられないのだから、歩み寄るべきだと思ったのだ。「あの、今日はごめんなさい。 これから気を付けるわ」同い年だし夫婦になったのだからと、普通に喋った。敬語だといつまで経っ...

肆拾壱 14

チェギョンが宮に来たその日の夜、ギョンから電話があった。『ガンヒョンの友人のチェギョンが帰国したんだ。 お前にも一度紹介しただろ? 憶えてるか?』「ああ」『でさ、留学から戻って早速仕事の依頼が来たらしいぜ。 なんか俺まで鼻が高い!』ギョンはテンション高く喜んでいる。彼は俺やチェギョンが留学している間に入隊していたので、今大学3年だ。卒業したら父親の会社を手伝うらしい。『ガンヒョンも喜んでた!』ギョ...

肆拾壱 13

ヒョリンにナイフを突き付けられたまま、私は車に乗せられた。そっと向こう側のガンヒョンを窺うと、彼女は驚いたようにこちらを見ながら携帯を耳に当てていて、と同時に私の携帯が鳴ったのだが、それはヒョリンによって窓から外に投げ捨てられた。何も言わずにエンジンをかけたヒョリンの顔をじっと見ている私に気付いたのか、ヒョリンは私に視線も向けずに言った。「あんたのせいで何もかも終わりよ。 出所しても迎えもなく、マ...

肆拾弐 2

「俺たち結婚しないか?」ある日私は、皇太子が噂の恋人ミン・ヒョリンにプロポーズしているのを見聞きしてしまった。「皇族の結婚は早いから、自分から意思表示しないと顔も知らない女を押し付けられるんだ」へええ、そうなんだ。「そんな女より付き合いの長い友人の方がいい」そんなプロポーズって有り???でも恋人なんだからOKするんだろうなと思っていたのだが、ヒョリンは断ったのである。世界的なバレリーナになりたい、皇...

肆拾壱 12

帰国してから、殿下からメールが来た。『ごめん、今気付いた。 2年間よく頑張ったな、お疲れさま。 俺ももうすぐ帰国する。 また連絡するから』一国民を労ってくれるなんて、ほんとに良い人だと思った。さすが皇太子だ。ありがとうございます、殿下。私たち国民はあなたを誇りに思っていますよ。それをメールで送ることは出来なかったが、これで殿下との暫しの交流も終わった。思わぬことに皇太子と話せたなんて、一生の宝にな...

肆拾弐 1

突然降って湧いたような結婚話には驚いた。おまけに相手は決まっているという。元はユルの許婚だったらしい。ユルというのは同い年の俺の従兄弟で、父上の兄ス殿下の忘れ形見だ。が、ス殿下が亡くなり父上が皇太子になった時に、ス殿下のお妃で当時の皇太子妃ファヨンさまは、息子ユルを連れてイギリスに行ってしまったのである。皇太孫だったユルの代わりに俺が皇太孫になり、今は皇太子になり、その約束も受け継がれたことで、結...

アルバム その2

アルバム その1

ヒョリンの誤算(シンの誕生日パーティー編)

『え? シンの誕生日パーティーに行きたい?』「ええ。 あなたのパートナーとして連れて行って欲しいの」インは二の足を踏んだ。行かない方がいいとも言われたが、私は何としても行きたい。シンとあの子が結婚して3ヶ月になるが、あの庶民がどれだけシンに相応しくないか見せてやりたいのだ。シンのプロポーズを断ったのは、「顔も知らない女より友人のお前の方がマシだ」という素っ気無い言葉にがっかりしたからだが、その後す...

肆拾壱 11

『お先に帰国しますね』チェギョンは帰国前、俺にそうメールして来た。つい先日までは「こっちは寒くて」だの「シン君はもう食べた?」だのと返事をくれていたのに、急に敬語になっている。そのことで、帰国したら俺が「皇太子」になるからだろうか、もしかしてこれが最後のつもりだろうかと、そんなことを考えてしまった。おまけに俺がそのメールに気付いたのは次の日だったのだ。いつもは俺が先にメールしてチェギョンからの返事...