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肆拾陸 6

日曜日のユルとヒョリンの“お出かけ”はなかったものになった。ユソンの画策で、日曜日、ユルはシンの公務に同行したからである。地方で開催される全国スポーツ大会の開会式に出席し、その後他の施設も回ってソウルに戻ったので、シンとユルは一日中一緒だった。だからというか、2人は色んな話をした。勿論母親の話もだ。シンがユルの母ファヨンの話を冷静に聞くことが出来たのは、彼がスの息子だと思っているからだ。そしてユルも...

肆拾陸 6

「お父さま、次の日曜日にユルとデートします」ヒョリンは父ユンギにそう報告した。実際はデートではなく、“祖父の誕生日プレゼントを探したいから付き合って”と頼んだだけなのだが、そんなことは父に言う必要はないとヒョリンは思っている。「そうか。 そろそろ写真を撮っておく方がいい。 人を付いて行かせよう」「はい、お父さま」写真というのは、ユルとヒョリンのツーショットだ。妃にするための下準備である。ユルは、ヒョ...

肆拾陸 5

「陛下、太子の護衛を強化してください」突然のそのユソンの言葉に、ヒョンは眼を丸くした。シンは皇太子なので既に護衛は付いているし、宮内では5人、外では10人の翊衛司が居る。なのにまだ増やせというのか?「強化というのは人数を増やせということか?」「そうです」「だが・・・、窮屈ではないのか?」ヒョンは元は大君だったので、10人が付き従うという経験はないのだが、それでも周りに人が居るというのは自由がなく、...

肆拾陸 4

王族ミン・ユンギは、高校と大学時代のヒョンの後輩に当たる。その頃からせっせと媚を売ったことでヒョンの信頼を得ていたユンギは、だが、ヒョンが婚姻後に1人の女官を呼び出せと言った時には流石に驚いた。まだ結婚間もないというのに、妻は妊娠しているというのに、他の女と?だが、これで恩を売れると思い直し、ユンギはシム・ファヨン女官をヒョンの元へ送ったのである。なので、ファヨンの妊娠にビビったヒョンが彼女を宮か...

肆拾陸 3

ユルを皇太子代理にというヒョンの言葉に皆が少なからず衝撃を受けている中、ユルははっきり断った。「いいえ、私には荷が重すぎます」「そんなことはない。 元々はそなたが皇太子だったはずなのだから」シンも居るこの場で平気でそう言ったヒョンに対して、ヘジャが口を開くより早く、やはりユルが言った。「いいえ。 例え母がこちらで私を産んでいたとしても、女官の息子の私が皇太子のはずがありません」「それは違うぞ、大君...