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肆拾肆 40(完)

告白したものの、チェギョンの意外な拒絶に遭った。俺や彼女自身の立場が邪魔をしているだけだと思っていた。チェギョンも俺を好きでいてくれている、という自信があったのだが、それはあっさり砕かれてしまったのだ。呆けたままホテルに帰ってから、俺が言ったことチェギョンが言ったことをゆっくり考えてみた。・・・もしかしたら断れないように外堀を埋めたと思ったのだろうか?おばあさまたちが了承していることを言ったのは不...

肆拾肆 39

それは一瞬の出来事だった。車が突進して行ったことで、その場に立っていた十数人が横に後ろに飛んだのだ。「シン君!!」思わず叫んでいた。横断歩道の向こうは停車した他の車や近くに居た人たちですぐにいっぱいになり、背の高いシン君の姿など見えない。ということは倒れているのだろうか?怪我をしているのだろうか?意識を失っていないか。まさか死・・・っ。信号待ちの間そんなことを考えてジリジリしていた私は、青になった...

肆拾肆 38

愛する人の名前はシン・チェギョン?いや、シン君の好きな人は韓国に居る。会見でそう言ったではないか。「違うでしょ? シン君の好きな人は、」最後まで言うことは出来なかった。シン君が声を上げたから。「いや。 俺の好きな人は、今俺の眼の前に居る」「・・・」「俺はお前が好きだ。 もうずっと前から」・・・ずっと前から?そのシン君の言葉は衝撃のひとことだった。嫌われていないことは判っていたし、私もシン君を嫌いで...

肆拾肆 37

寒くなった頃、シン君がスイスまで来てくれた。当然ひとりではなかったので、私はきちんと敬語で挨拶したし、シン君もきちんと返事してくれた。シン君は相変わらずいい子で、私の家族のことまで気にかけてくれる。「スイスって良いところだな〜。 俺も此処へ来れば良かった」いや、それは有らぬ誤解を生む。何も無いからこそ、シン君には迷惑をかけられない。『先の皇子は外でも偉そうだったけど、今の皇子は割りと人当たりが良い...

肆拾肆 36

「殿下、チョン・ウニョンさんは殿下にも愛する人がいらっしゃるとはっきりおっしゃいました。 本当でしょうか?」その問いに、俺ははっきり答えた。「本当です。 と言っても、私はまだその人に告白さえもしていません。 先ずは友人になり恋人になってプロポーズしたいと思っています」「ということは、その方はまだ殿下のお気持ちを知らないと?」「はい、私の片思いです。 とにかく私が留学を終えてからの話です」“片思い”と...