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肆拾弐 28(完)

『ソ・ファヨンさまとイ・ユルさまは外国生活が長かったせいで皇室に馴染めず、この度皇籍を抜けて国外に行かれましたことをご報告いたします』『皇帝陛下が体調を崩されました。 此処暫くのご心痛が原因かと思われます。 元々持病がおありでしたので、ご静養に入られることになりました』その2つのことが、1週間ほど空けて公式に発表された。このことで騒ぐ王族はもう居ないし、世間はこれらのこと持ち切りで、俺の退位の話な...

肆拾弐 27

ネット記事が消えたことで世間が静かになって来た頃、俺は母上に呼ばれた。『皆揃って話し合いが持たれます。 あなたも来なさい』おばあさまの大妃殿に全員が集合するらしい。チェギョンたちが足で調べたことや、チェジュンがチェ・ジノを、翊衛司たちがソ尚宮を見つけ、諦めた2人が白状したことも聞いていたので、いよいよ終わるのかと、俺はコン内官とともに大妃殿に向かった。大妃殿の一室に、本当に全員が揃っていた。上座に...

肆拾弐 26

皇后さまの頼みとは、やはりというかチェジュンへの頼み事だった。海外に行ったという新聞社局長のチェ・ジノさんを探してくれというのだ。『どの国のどの辺に居るということだけでも判れば、こちらから人を遣ります。 ですから彼に頼んでもらえないかしら?』世界の何処に居るのか判らない人を探せという話にはびっくりしたが、“携帯やカードを使っている限り大抵のことは判る”と、以前チェジュンに聞いたことがあったので、弟に...

肆拾弐 25

チェギョンたちが出国した2日後、ネットに出ていたシン家や俺の退位についての記事が消えていた。当初から宮の科学官が削除しようとしていたのは知っていたが、すぐに記事が上がって来てイタチごっこになっているとも聞いていたのだ。なのに今、綺麗に消えてしまうなんて。「宮の科学官ではありません」コン内官はそう言った。ということはチェジュンだろう。国外から、いやイギリスに行ったそうなので、イギリスから操作したのか...

肆拾弐 24

太皇太后さまの大妃殿に行った日の夜、初めて殿下から電話があった。『今日はありがとう。 おかげでおばあさまも回復しそうなんだ』それならよかった。でもお礼は必要ない、お世話になったのだから当然なのだ。それを言うと、俺も会いたかったと言われた。・・・多分口先だけだ。殿下が私に愛想をふりまく理由は判らないが、ありがとうと答えておいた。殿下は、私がまだ韓国に居るとは思わなかったようだ。太皇太后さまは本当に隠...