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ヒョリンの誤算(シンの誕生日パーティー編)

『え? シンの誕生日パーティーに行きたい?』「ええ。 あなたのパートナーとして連れて行って欲しいの」インは二の足を踏んだ。行かない方がいいとも言われたが、私は何としても行きたい。シンとあの子が結婚して3ヶ月になるが、あの庶民がどれだけシンに相応しくないか見せてやりたいのだ。シンのプロポーズを断ったのは、「顔も知らない女より友人のお前の方がマシだ」という素っ気無い言葉にがっかりしたからだが、その後す...

シンの誤算

俺の人生は誤算から始まった。5歳でなるはずがなかった皇太子になり、優しかった母上は厳しい皇后になってしまったのである。それからは、あなたは皇帝になるのだから泣いてはいけない、感情を露わにしてはいけない、常に自分を律して冷静でいなければならないなどと言われ、俺は東宮殿でたった一人にされたのだ。母上を探しては叱られ泣いては叱られたが、小学校高学年になる頃には諦めが身に付いていた。高校生になってからは一...

ファヨンの誤算

『お前は将来皇后になるのだ』王族の娘は殆どがそう言われて育つだろうが、本当に皇后になれるのは1人だけだ。そして私はその1人になれるはずだった。だが、私の夫で皇太子のスが事故死してしまったことでそれは呆気なく崩れ去り、私とユルはイギリスに行くことになったのである。ユルがもう少し大きければこんなことにはなっていなかっただろうに。私たちはイギリスで悔しい思いをしながらも十数年を過ごした。あんなミン・ユソ...

ヒョリンの誤算(出会い編)

中3の時、せっかく芸術高校舞踏科に合格出来たというのに、高校の費用が出ないと母に言われて、「だったら死んでやる!」と母に吐き捨てて、私は家を出た。この学歴社会で中卒なんて生きていけない!母のように住み込み家政婦になれとでもいうのか!?と、腹が立ったのだ。だが本当に死ぬ気などなかった。母の顔を見ているのが嫌で逃げただけだ。電車を乗り継いで見たこともない小さな駅で降りると、運命の出会いが私を待っていた...

ヒョリンの誤算(参内編)

プリマになる夢を捨てられなくてシンのプロポーズを断ったのに、そしてコンクールで優勝したことでプリマへの道は開かれたのに、私はシンへの想いを捨て切れなかったのだ。ファヨンさまという味方を得たことでシンを取り戻す決心をしたのである。そして、シンの心変わりに気付かずにいたせいで、自殺未遂という騒ぎまで起こしてしまい、隠していた私の素性までもが白日の下に晒されてしまったのだ。シンを騙す気はなかったが、言え...