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妻に向き合うこと

チェギョンと結婚した途端、プリマになりたいと言ったくせにバレエ学校への入学を蹴って帰国したヒョリンは、「あなた私を待たなかったことを後悔するわ、一生」と、俺に言った。はあ?一生だと?一応好きという気持ちはあったのでプロポーズしたのだが、あんな断られ方をしたことと今のおかしな言葉で、ヒョリンという人間は完全に俺の中から居なくなった。お前が一生後悔すればいい!ヒョリンの番号は削除したし、インたちにもき...

結婚記念日

「おかえり、チェギョン」「ただいま、シン君!」マカオでの数ヶ月は、私の人生で初めての、責任という重いものだった。あの頃が辛くなかったと言えば嘘になるが、でもあのことがあるからこそ、今の幸せを痛感出来るのだと思っている。あれから5年。子供にも恵まれて、私は本当に幸せだ。私たちの長男ヨンの満3歳の誕生日プレゼントに、ガンヒョンがレゴブロックをくれた。『3歳の子には早いかもしれないけど、未来の皇帝陛下な...

名無し君は見た!

『今日の調理実習はケーキを作るの。 食べたい?』朝、俺が甘い物に目がないことを知っている幼馴染からそんなメールがあった。『勿論!』と返信したので、今日のおやつはケーキだなと内心ほくほくしながら、午後、教室にケーキが届くのを待っていた。が、遅い。いくらクラスの実習といえど、彼女はケーキ作りには慣れているので時間はかからないはず。待ちきれずに廊下に出た時、向こうからミン・ヒョリンが来るのが見えた。両手...

インの誤算

シンが1人でタイに行った。「外交ってのは夫婦で行くものなのに、やっぱりあの庶民じゃ役に立たないのさっ」ギョンはそう言って笑ったが、ファンは違うと言った。「イギリスの王子が国賓として来るらしい。 それの接待があるってネットニュースに出てたよ」するとギョンは、英語も判らないくせにとまた笑っていた。だがまあ、そんなことはどうでもいい。「それより明日出発だからな」「おおっ」ヒョリンが、タイに行ってシンに会...

娘が嫁ぐ朝

今日、俺たちの娘が嫁ぐ。チェギョンは、結婚が決まった時から何やらはしゃいでいて、まるで自分が嫁に行くかのように喜んでいる。「そりゃあ寂しくないと言えば嘘だけど、でもあの子が選んだ彼で、2人が愛し合ってるんだもの。 絶対幸せになれるわ。 だから寂しいけど嬉しいの」その気持ちは判らないでもない。が、多分父親と母親では違うのだ。俺としては、娘を取られるようにしか思えないのだから。娘が生まれた時、すごく可...