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参拾弐 9

皇室から文書が来て、皇太后さまのお言葉が書かれていた。『学校では太子にも大君にも会うことのないよう配慮してください』先ずそれがあった。候補のことが極秘事項だということと、学校が違う大学生二人に配慮せよということらしい。私としてはこの通達は有難かった。何かと話しかけて来ようとするユル君も、物言いたげに私を見ているシン君も、はっきり言って煩わしかったから。さすがのヒョリンも大人しくしてるようで、学校で...

参拾弐 8

ヒョリンに言うほうが喜んでくれる、というチェギョンの言葉は、裏返せば、チェギョンはそれを言われても嬉しくなかったということだ。ファンにはチェギョンを好きなら告白しろと言われたが、自分の気持ちもはっきりしない俺は、ならばもういいと思ってしまった。嫌だと言う女と無理矢理結婚しなくても、俺を良いという女は他にも居る。だが。大学生二人は多分皇太子妃狙いだ。大君妃より皇太子妃のほうが良い、という程度だろう。...

参拾弐 7

参内した日、案内された部屋に入るなりジョンファが私に飛び付いて来た。「(チェギョン! 見て、ヒョリンのドレス!)」笑いを堪えたようなジョンファの言葉にヒョリンを探すと、一人派手な金色が立っていた。「(あの金色、ヒョリン?)」化粧がキツくて顔がよく判らない。「(そうよ。 あんなロングドレスなんてどうかしてるわね。 おまけに全身金色)」あれじゃあすぐに候補を外れるかもね、とジョンファが言っていた。私た...

参拾弐 6

「シン、見てみろ。 ヒョリン一人が浮いてる」控室が映し出されているモニターを見ながら、ユルが面白そうに俺に言った。同じようにそれを覗き込むと、確かにヒョリンだけが派手で、一人浮きまくっていた。他の王族の4人が清楚な感じの膝丈のドレスなのに、ヒョリンは裾を引き摺ったゴールドのロングドレスで、小さいダイヤがいくつも散りばめられているようだ。ネックレスもイヤリングも指輪も靴も金で、ドレスに合わせているつ...

参拾弐 5

2年になり、私はイン君と同じクラスになった。あの時シン君に、お前チェギョンのこと好きなのか?と聞いた子だ。シン君の、好きじゃないという返事を聞いて笑っていた子。はっきり言って良い印象は無い。が、昔のことだ。ファン君とギョン君が謝ってくれたからと、イン君やシン君にも謝って欲しいわけではないし、今更だとも思う。なので、私は普通にイン君に接した。「おはよ、イン君」「あ。 ああ・・・、おはよう・・・」最初...