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ヒョリンの「プロポーズ大作戦」(後編)(完)

シンが私を妃として迎えることが出来ないのは、彼が皇太子だからだ。ならば、皇太子でなくなればいい。そのことに気付いた私は、タイのコンクール優勝後、バレエ学校の入学手続きにサインする前に戻ることに決めた。あの場でサインをせずに帰国して、妻帯者となったシンに近付き、言葉は悪いが私とのスキャンダルでシンが皇太子を降りることになれば、私はずっとシンと居られる。あの頃ならシンの心は私のものだから、近付くのは容...

ヒョリンの「プロポーズ大作戦」(前編)

タイでの国際バレエコンクールで優勝した私は、そのままパリのバレエ学校に入学した。契約書にサインをする時に、テレビでちょうどシンの結婚が報じられていてすごくすごくショックだったが、それでもバレリーナになりたかった。だってそのためにシンのプロポーズを断ったのだから。なのに。入学して半年、常に努力していた私を差し置いて、先月入学したばかりの日本人に役を振り分けた先生に腹が立った私は、深酒した挙句練習を休...

バレンタインの思惑

Confession

タイでのことで、やっとヒョリンと終われた。「最初で最後のデート」としてきちんと見送りもしたし、これでチェギョンに向き合えると思った。なのに、それがタイで新聞記事になり、ネットにも載ったのである。国内の記事は抑えたものの、当然のようにチェギョンとはギクシャクしてしまった。いや、あれは俺の言い方が悪かった。「関係ない」などと、何故口から出たのか。しまったと思っても後の祭りで、もうどうしていいのか判らな...

後顧の憂い

私の夫である先帝が、生前、皇位継承者の許婚として決めていたのが、シン・チェギョン嬢だった。孫で皇太子のシンと彼女の婚礼は華々しく執り行われ、夫の遺言のようだった縁を繋ぐことが出来て、私は感慨深く最後のパレードに見入っていた。初の民間からの妃だが、だからこそ一層国民に受け入れてもらえて、国中が喜んでくれているように思う。ところが、シンは自身の母で皇后であるユソンと、結婚したら東宮を移してくれと約束し...